薄く開いた叶の口から、同じ男とは思えない艶やかな声が止まらない。
フェロモンはあの口から漏れ出てるんじゃねーのかってぐらい、呼吸するたびに色気で部屋がエロくなってるような気がした。

あんな叶を見せつけられちゃ、織田もそりゃ我慢きかねーよな。
そうこうしている内に、叶がイキそうになったのを見て、瞬時に目を閉じる。そこまでは見たくないし。

「はっ、ん、叶…っ」
「あぁっ、くぁ…、ん、んー…っ!」

数秒後、耳に届いたのは叶の大き目の声。
次いで織田の苦しそうな声も聞こえてきて…どうやら行為は無事に終わったらしい。
俺は全然無事じゃねーけど。

やっと終わったか、とガックリしてると、宮川も脱力したように放心していた。
柊は無事だろうか…いや、アイツは見えなかったはずだから、俺たちに比べるとダメージは少ないかもしれない。
…でもな、聴覚だけだと、逆に想像力を掻き立てられるのかもしれないな。

「叶、めっちゃ好きや…」
「…ん、うん、俺も…」

さっきまでの激しさはどこへやら。
ちゅっちゅと叶の目元や頬にキスを落とす織田は、どこか可愛く見えた。
叶は叶で、多少疲れは見せているものの、心底満たされましたみたいな顔して笑ってる。

そして、織田が叶の体を拭いてる間に、どうやら寝入ったようで。
規則正しい叶の寝息が聞こえてきた。

これで織田も寝てくれれば、コッソリと抜け出せるってワケだな。
あぁ、マジで長い夜だった。二度とこんなドッキリしないと誓おう。

俺が言いだしっぺだったから、宮川と柊に後でいろいろ言われるような気がする。
そこはスルーして、逆に織田に八つ当たりすればいいか、うん。(…)


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