* * *


…無意識なのか、煽ってるのか。
ぽーっとしたまま、自分の唇を人差し指で ぷにぷにしてる。

さっきのキスの感触でも、思い出してるんだろうか。
…こんな可愛い仕草見せつけられて黙ってるほど、俺も大人じゃないって事で。

「沖…」
「…ん? …!」

名前を呼んで、俯きがちだった沖の顔を上げさせ…その流れのまま、ぷにぷにしてた指ごと 唇で塞ぐ。
急で驚いてたみたいだったけど、煽ってきた沖が悪いんだ、うん。

2回目のキスも、たぶん3秒くらい。
1回目と違うのは、沖が少し怒り気味って事だな。

「…な、ななな何で…!」
「何が?」

「す、するならするって言ってよ! ビックリするじゃん…!」
「ははは、ごめんって。ついだよ、つい」

「つ、ついで キスしないでよ…! 呼吸の準備があるんだから!
「えっ!」

そんな理由かよ…ていうか、別に呼吸してもいいと思うんだけど。
今だって、俺は息止めてなかったのに。

「じゃあ、事前に言うわ」
「え?」

「もっかい、いい?」
「え… え、ちょっ」

…これで、3回目。
沖の頬も耳も、みるみる赤くなってく。
しかも、キスって何か ふわふわすんな。

ハマりそう…




* * *


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