ベッドの上で、ギュウギュウと抱きしめあってキスしまくる二人。
空気が甘過ぎて眩暈がする。
何でこんなシーンを、息を殺して見ないといけないんだ…!
俺たちはただ、織田が気絶するのを見たかっただけなのに!
「…なぁなぁ、おだv」
「ん〜?」
「ちょっと早いけど… 電気消す?」
「…ええよv」
鼻の下が伸びきってる織田が立ち上がり、部屋の電気を消す。
反対に、叶はベッドヘッドのライトを点けた。
もしかして、今がチャンスだったりすんのか!?
だって、元々は柊が消す予定だったんだし!
隣にいる宮川にコッソリと「行くか?」って耳打ちしたんだけど、宮川は目の前の二人にやられたのか、思考が停止しているらしい。ったく、しっかりしろっつの!
固まってる宮川を 軽く肘打ちして正気に戻らせ、柊が飛び出したら俺たちも行こうということになったんだけど…柊はまったく動く気配がない。
もしかしたら、柊も固まってて動けないのかもしれない…
やっぱり、作戦は失敗か!?
「おだ、早くこっちv」
「可愛すぎるわ…!」
仰向けになって両手を広げ、甘えるように織田を呼ぶ叶。
こんなの、いつもの叶からは想像も出来ねーわ。織田は何となく分かるけど。
またねちっこいキスを繰り返す二人だったけど、俺はもう見ていられなくて目を背ける。
下手に今飛び出したら、叶に何されっか分からないしな。
そう考えている内に、俺たちは完全に飛び出すタイミングを逃してしまっていた。
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