* * *
――たった3秒間だけで、呼吸困難になるかと思った。
ゆっくりと触れられて、ゆっくりと離れていって。
触れられた唇が、チリチリと熱い気がする。
「…はは、やっと出来た…」
巣山のおでこが、俺のおでこにコツンと当たって…どこかホッとしたように呟いた。
それに、俺は「うん…」と返すだけで精一杯。
キスした余韻で、頭がボーッとしてるみたいだ。
のぼせたまま動けないでいると、耳の下にあった手が背中に回って、もっと距離を縮められる。
両腕ですっかり抱きしめられてる中、目の前にある巣山の耳が、真っ赤になってるのに気が付いた。
巣山も、ドキドキしてくれたのかな…?
「…大丈夫か?」
「…え? …あ、うん…」
少し体を離されて、顔を覗き込まれる。
…熱に浮かされてるのかな、頭がぽやんとしたままだ。
そんな俺の顔がおかしいのか、また巣山が笑ってる。
それに反論したい所だけど…ダメだ、全然頭が働かない。
でも、巣山の唇…柔らかかったなぁ…
* * *
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