Case14:罠
叶 「お前らが部室に入った順番・阿部が後ろに転倒して頭をぶつけたのは、間違いない。だが、阿部は自分ですっ転んだ訳じゃなく、誰かに故意に転倒させられたんだ」
全員『えっ!』
田島「わざと倒したって事か!?」
叶 「そうだ。阿部が使っていた折り畳みのパイプ椅子…その留め具に細工がしてあったんだ。真新しい傷、緩められたネジ…これらは明らかに人為的なものだ」
栄口「椅子に細工… それは、阿部を転ばせようと思って?」
叶 「あぁ。って事は、もう1つの真実が出てくる。これは、突発的な犯行じゃない、用意周到に準備されていた、計画的犯行だって事だ」
織田「ちなみに、これがその椅子の画像やでー(写メ:見)」
水谷「…うわ、本当だ!」
西広「確かに、これは自然に出来る傷じゃないね」
篠岡「まさかぁ… 阿部くんに、そんな恨みを持ってる人がいるの?」
百枝「いい話じゃないわねぇ」
叶 「この椅子の細工は、阿部が"ちょっとぐらいなら乗っても大丈夫"にしないとダメなんだ。逆に言うと…」
泉 「阿部が降りる"前"に倒れてくんないと困るな」
叶 「そうだ。それで、今度は『いつの間にか開いていた窓』に関係してくる。窓は誰が開けたのか…お前らの中で、開けた奴はいるか?」
水谷「開けてないよ〜? 開ける理由もないしさ〜」
巣山「俺も開けてないぞ」
叶 「そうか……」
織田「誰も開けてないんやったら、やっぱり阿部が開けたんか?」
篠岡「阿部くんて意外と綺麗好きだったりするし、雑巾を叩く為に開けたんじゃないかなぁ」
栄口「そうだね、乾拭きしてたんだし」
叶 「ふむ…… おい、ワトソン」
織田「ん? …うん、うん…」
叶 「頼んだぞ」
織田「了解!(去)」
田島「どーしたー?」
叶 「いや、何でもない。推理を続けるぞ」
花井「あぁ…」
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