●●色っぽいなぁ●●●


「ごま油あったっけ?」
「ん、ここにあるよー」

一人暮らしする巣山の家で、二人並んで夕飯作り。今日は巣山の好きな中華なんだ。
ごま油を手渡しつつ、ちゃっちゃとフライパンを捌く巣山の横顔を見る。

女の人にはよく使う言葉なんだろうけど…今の巣山も、充分色っぽいなぁって思う。
高校の時よりも骨ばった首筋とか、大き目の喉仏とか…こういうの、男の色気っていうのかなぁ。

「皿は?」
「え? あ、はい!」

うっかり見惚れてて、お皿出すの忘れてた。
慌てて食器棚から皿を出すと、巣山が楽しそうに笑ってる。

髪型も笑い方も、5年前と一緒なのに、やっぱりどこか成長してるんだなって思う。
俺も、少しは成長してるかな?

「…なぁ、沖?」
「んー?」

「さっき、俺のこと見てただろ。ご飯じゃなくて、違う方が良かった?」
「え? 違う方って…」

ニヤッて笑ってベッドをちらりとした巣山を見て、ボッと顔に熱が集中する。
誤解だって言いながら反論すると、巣山がもっと楽しそうに笑った。


…俺も、
ちょっとぐらい色気が出ればいいのになぁ。

巣山までとは言わないけど、
もっと俺にメロメロになってくれるぐらい…。


俺にも、色気が増えますように!





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