●●おはようのキス●●●


「こら浜田。日曜だからっていつまで寝てんだ」
「…んん〜…、…」

丸まった布団を軽く足蹴にすると、くぐもった返事の後、すぐに寝息が聞こえてきた。

俺は大学進学、浜田は就職。
それぞれ別の道を歩いてるけど、この共同生活になんら不満はない。…ねぼすけ具合以外は。

「こーら、起きろっつの」
「…んー、……」

はぁ、と小さくため息をつき、起きねーコイツを放っておいて、洗濯機を回すことにする。たまの休みくらいは寝かせといてやるか。

ゴウンゴウンと音を立てる洗濯機をそのままに、冷めた味噌汁の鍋を火にかける。
俺一人でも先にメシ食うかな〜って思ったんだけど、味噌汁の匂いにつられたのか、ムクッと起き出した。

「…んー、おはよ〜」
「はよー。食うか?」

「ん、食う…」
「ヒデェ顔。さっさと顔洗え」

ふわああと間の抜けたあくびをしながら、脱衣所に消えていく。その間に、フライパンに生卵を二つ落として蓋をする。今日は目玉焼きの気分なんだ。
ついでにソーセージも3本ずつ焼こうと、冷蔵庫を開けた。

「時間間に合う〜?」
「ああ、だいじょぶ」

今日は久しぶりに二人で出かける予定。
っても、映画見て昼メシ食って買い物するだけなんだけどさ。

「はー、いい匂い〜v」
「寝癖も直してこいよ…」

「あとでv えーと、お椀〜…」
「皿もなー」

ぴょこんと跳ねてる寝癖に少し笑いながら、蓋を開ける。うん、いい具合に半熟になってるな。

さぁ、ご飯にしようか。
ああ、そうだ。忘れるとこだった。


「はまだ、」


何よりも先に。



まずは、
おはようのキスをしてから。



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