●●分かってくれよ、それくらい!●●●
迅は自分で気がついてないが、どこかフラフラして頼りない。
他人を疑わないというか、すぐに信じてしまうというか。
最初は警戒心があるのに、それが何かの理由でなくなってしまえば、後はずっと信じてしまう。悪い癖だな。
「迅、まだソイツに付き合ってやってんのか?」
「うう〜ん…ちょっと困ってるんですけど…」
しつこいくらいに、迅を誘う見知らぬ誰か。
俺といる間、必ずといって言いほどにくるメール。それが、迅はただの友達としての誘いだとしか思っていない。
絶対下心があるに違いない。
迅自身で 分かってくれよ、それくらい!
「…あ、思いついた。慎吾さんルールその12〜!」
「? 何ですか?」
どこか危なげな迅へ、自覚を持ってもらうべくのルールだ。今回発効するのは、携帯について。
「俺といる時は、電源を切ること!」
「え? …はは、分かりました」
笑って電源を落とす迅を見ながら、隙を見てソイツのアドレス拒否にしてやろう。
え? それはやりすぎだって?
迅は これぐらいしないと、危ねーの!
俺がずっと、
見守ってやんないとな!
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