●●傍にいさせて●●●
慎吾さんと出会って6年、付き合って5年。
一言で言えば長いような時間だけど、本当にあっという間だったように思う。
どこか飄々としてるんだけど…いつでも笑わせてくれるし、頭も良くて、空気も読める。
そんな慎吾さんだから、いつでも周りに人が集まってくる。
それは、誇らしいことだと思うし、慎吾さんの人柄の良さにあるんだろうけど…。
「おーい、迅。起きてるか〜?」
つい、ボーッとしちゃってたみたい。
俺の目の前で手を振って、笑いながら頭をくしゃって撫でられた。
「起きてますよー」
俺もつられて笑えば、「目ぇ開けて寝てたんじゃねーの」ってまた笑われる。
そんなんじゃない…けど。
「ねぇ慎吾さん…」
「ん〜?」
視線はこっちに向けずに、言葉だけの返事をされる。
雑誌もいいけど、こっち向いてくれてもいいじゃないですか。
ページをめくる手を止めて、少しだけ強く握ってみた。
これだけで、慎吾さんは俺の心だって読めちゃうから。
「分かってるよ、迅」
優しく見つめられながら、そのまま引き寄せられる。
通じたみたいですね、俺の気持ち。
ねぇ、慎吾さん。
これからも、
傍にいさせて下さいねv
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