●●悪友以上恋人未満●●●


正直、ここまで続くとは思ってなかった。
無邪気にテレビを見て笑ってる、田島と。

こいつはまぁ、当然というか当然の流れで…プロ野球選手っつーモンになった。
1個上で榛名さん、俺らタメでプロになったのは、田島と織田の二人だけ。
1個下では何度か対戦した埼玉の大地っつーのが、見事プロ入りを果たしたらしい。

俺はっつーと、普通に大学生。
一応教師を目指してるんだけど…結構忙しかったりもする。
阿部や三橋の草野球チームに、たまに呼ばれるからな。ああ、こないだは叶も来てたな。

「なー、晩飯なに〜?」
「おから入りハンバーグ」

「おから?」
「栄養あるからな」

学校と草野球、それと併行してハマってんのが、料理だったりする。田島の栄養管理も、俺の仕事だからな。

「おからってウマイの?」
「何言ってんだ。こないだ作ったハンバーグだって入ってたんだぞ」

「うっそ、マジで!?」
「気付かないで食ってたな、お前」

フフンと笑ってると、田島がキラキラと尊敬の眼差しを向けてくる。
伊達に料理本集めてないんだぜ。

「やっぱすげーな!」
「そうか?」

「だってマジ気づかなかった! はー…さすがだなー、あずさは〜!」
「まぁな。っていうか名前で呼ぶな」

卒業したあたりから、何を思ってなのかたまに名前で呼ばれる。もう2年経つのに、まだ慣れねーな。

「いーじゃんか別に〜!」
「っせー。おからだけにするぞ」

「えー!? それは勘弁!」
「はいはい」

にしししと笑う様子も、5年前と一緒だ。

田島とは、
変にベタベタするよりも、

このぐらいの距離が
 ちょうどいいと思う。



悪友以上、恋人未満ぐらいがな。




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