何だよ、いつもは笑って許してくれるのにさ。
…つーか、俺がいつも甘えてばっかなんだよな。
浜田と対等になりたいって思ってるのは自分なのに、いざ浜田を目の前にすると…甘えてしまう。
本当、言ってることと思ってることがぐちゃぐちゃだな。
思わずうるっと涙がこみ上げてきた時、玄関の方からガチャって音が聞こえた。
浜田が帰ってきたのかも…でも、どういう顔してたらいいんだ?
迷ってる内にドアが開いて、ちらっとだけ視線を移すと…満面の笑みの浜田が立っていて…?
「ただいま〜v」
「…お、かえり、…?」
ネクタイを緩めつつ、目の前にトンって置かれたのは…ほのかに甘い匂いがする、四角い白い箱。
「な、にこれ…?」
「駅前に新しくできたケーキ屋だよ。食べたいって言ってたでしょ?」
すげー並んでてさ〜って笑いながらスウェットに着替えてる。
もしかしなくても、帰りが遅かったのは…ケーキ屋で並んでたせい?
「4個買ってきたから、2個ずつ食べようぜ〜v」
「…何でだよ!?」
「え? だ、だっておいしそうだったから…」
「そうじゃなくて!」
俺達、喧嘩してたんじゃないのかよ?
なのに、こんな何事もなかったみたいにしてさ…俺が謝れる雰囲気じゃなくなってんじゃん!
いや、気をきかしてくれてんのは分かるんだけど…ああもう!
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