結局、栄口の浮気は濡れ衣で。
女の子の名前ではあったけど、その子の彼氏のことについて相談にのってあげてたみたいで、そのお礼だったんだ。

そのメールを見せられて、一気に気まずくなっちゃって…今の、この状況だったりします…。

「ごめん、…ごめんね?」

テレビから聞こえるバラエティの笑い声が虚しく響いて、それを消そうかどうか迷ってると、栄口が何も言わずにずんずんと寝室へといなくなっちゃった。

明日も早いみたいだし、俺には付き合ってられないって思って不貞寝してるのかも。
そう思うと、自分の情けなさに、また泣けてきちゃった。

もう何もする気が起きなくなっちゃって、まだ10時だけど俺も寝ることにした。
セミダブルのベッドに一緒に寝てるわけだから、俺も栄口の隣にもぞもぞと入り込んだわけだけど…壁側を向いたままピクリとも動かない。

リビングに戻ってソファで寝ようかな…なんていじけてると、もぞっと栄口が動いた。そのままくるんと振り向いてくれたんだけど…まだ口が尖ってる。
ん〜、まだ怒ってるな…。

「…ねぇ、水谷」
「はい…」

「俺は一度も、浮気なんてしたことないよ?」
「…はい」

「水谷は?」
「俺も、してません…」

寝ながらも敬語で言うと、おでこをこつんと優しく小突かれた。
殴られるのかと思って目を瞑ったのに、全然痛くなくて拍子抜けしちゃったよ。



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