If Story

▽ 4*


「ここ、使っていい?」
「……使う、って……どういう」

戸惑う葵に説明するには実践するほうが早い。彰吾は既に昂り始めた己を取り出して、閉じさせた太腿の狭間に擦り入れてやる。挿入の気持ちよさには当然劣るものの、なめらかな質感の肌に包まれる感覚は悪くない。

「んんッ……こ、れ」
「親父としたことある?」

いつでも葵を抱ける人間がこんな焦れったい行為を楽しむとは思わずに尋ねたが、予想外に頷きが返ってきた。初めて犯されたという十四までは、こうして擬似的なセックスを楽しんでいたのかもしれない。

「あぁ……んっ、んっ」

さらに滑りを良くするためにゴムを着ければ、纏わりついたジェルのおかげでよりスムーズな動きが可能になる。葵もぬるついたモノで敏感な部分をなぞられて次第に甘い声を漏らすようになった。

熱を持った切っ先で閉ざされた蕾を押し上げ、会陰を通って、固くなり始めた幼い幹を辿る。柔らかな肉感の太腿に締め付けられる直接的な感覚もだが、薄いゴム越しに葵が高まっていく様子を感じるのも堪らない気分にさせられる。

とはいえ、やはり普通の性行為に慣れた体には物足りない刺激。イけなくはないが、満足は出来ない。

「やっぱ挿れたくなるな」
「やぁ……あ、んっ」

もどかしいのは葵も同じのようだ。ツンと蕾を突き続けると、深く貫いてほしいと言わんばかりに腰を揺らし始める。無意識なのだろうが、今すぐに犯されても文句は言えないほど効果のある煽り方だ。

押し倒し、育ち切った欲望を捻じ込みたくて仕方ない。けれど、嫉妬深い美智や、顔も知らぬ父親の影がちらついて、ぎりぎりのところで理性を失わずに済んだ。

「昼休み、ちゃんと抱いてやる」

今はお預けだと告げれば、切なげに喉を鳴らす音が響く。犯されることを望んでいるわけではないはず。それでも淫らに育てられた体は、中途半端な戯れでは疼きが治らない様子だった。

最後は昂ったものを手で扱いて熱を吐き出した。己のイイところを知り尽くした手淫ではあるが、目の前に葵がいるのになぜ、と虚しくはなる。

白濁の溜まったゴムの口を縛って捨てれば、葵から遠慮がちな視線が向けられた。葵が何を訴えたいかは分かっている。途中で放置したままなのだ。

縋るような目を向けられると、甘やかすよりも苛めたくなる性分だ。元々は葵の制服を汚さぬよう、自分とはタイミングをずらそうとしただけだったが、ここで切り上げても彰吾は何ら困らない。

「いいよ、触れば?」

葵が自慰行為に及んでも咎めるつもりはないと告げると、葵はますます困った顔になった。父親の言いつけを破れないのか、それとも許可を出されてもどうしたらいいのか分からないのか。

いずれにせよ、彰吾に助けてほしいと見つめてくる瞳に満たされた気分になる。

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