short story | ナノ


▽ 成長なんて。



なぜだろう。
離れたからなんとなく恋しくなったのか。
それとも、本心からそう思ったのか。


あんなに嫌だった部活をもう一度やりたいと思ってしまった。


嫌だ、というのは語弊があるかもしれない。
そのスポーツ自体は好きだ。それに罪はないからね。
ただ、コーチや先輩、他の部員次第でそれは変わってくる。

コーチや先輩、部員ははとてもいい人だった。
強いし、地元じゃちょっと有名な人たち。

ただ、練習がキツい、
練習の時にコーチが怖い。
そんな甘ったるい事で嫌いになっていた。

小・中学校はまだよかったのかもしれない。
頼れる同輩がいて、先頭に立ち、自分を引っ張ってくれて。

もともと高校ではやらないつもりでいた。
文化部に入ろうと考えていた。
ついでに言うと中学校もだ。


そこは長くなるから言わないが。


それが高校に入ってどうだ?
自分が先輩になって、頼れる人も、もういなくて。

練習はキツくて、委員会を理由に遅れて行ったり、ずる休みしたり。
試合なんて、自分が勝たなきゃいけないのに勝てなくて。

そんなもんだから、もっと嫌になった。

大嫌いにならずに済んだのは
楽しい、って思いが心の底にあったから。
試合で勝てると素直に嬉しいしね。


あぁ、話が逸れてしまったね。



もう一度やりたい、と思ったのは本当だ。

本当のはずなのに。

今朝かかってきた電話。
今日は地元の小さい大会らしい。
後輩と、同輩が審判をするそうで、
「来ないか?」
と言われた。

「」



ここで下書きとして放置されていたこの物語。

当時の私は何を思い、何を伝えたかったのか。

もう思い出せない。

2年前の私へ。今も同じ気持ちだと伝えたい。

やりたくないわけじゃない。

でもやりたくない。

ざわざわするの。

なんでだろうね。

2年後の私より。

2017.7.3



〈 2年後にまたこれを見たら私はどう思うのか 〉






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