short story | ナノ


▽ 秀才ちゃん



今、私の目の前には、
吐き気がする程嫌いな奴がいる。

つい先ほど、こいつに、
勉強のやり方を教えろ
と言われた。

ちょっとこいつ、
頭おかしいんじゃないのか?
何故学年1位の奴が
2位の私にそんなことを聞く?

だが、よくよく考えれば
こいつは俗に言う、
天才って奴だ。
目立った努力をしなくても、
何事も難なくこなす。

まぁ、それに関して別に羨ましいとは思わないが。


でも、
努力を知らないこいつに、
私はイラつきを覚えているのは事実。

こっちは
友達付き合いも、寝る間も、
やりたいこと全部を惜しんで、
テストでいい点を取る勉強や、
有名難関校進学のための
勉強をしているというのに。

それでも。
その努力でさえも、目の前のこいつは、
いとも簡単に私を凌駕していく。


悔しい。悔しい。悔しい。


これが、天才と秀才の違いか。



こいつとの違いなんて前から気づいていたのに。
勉強の仕方を聞いてきたこいつに対して
無性に腹が立った。

いつも私の上を行くこいつに、
このイライラをあてつけた。
そしてその場を逃げるように後にした。


あぁ、きっと傷つけた。


だけど、努力知らずのあいつに
腹が立った事実は変えられない。
私は謝らない。

どうせ、明日になったら
ヘラヘラしてると思うから。





〈天才に私の気持ちなんか分かるわけない。〉







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