short story | ナノ


▽ ゼラニウム



あなたはいつも傍に居てくれた。

私が泣いている理由を聞いても、
離れないでくれた。
そして素敵なお花までくれたんだ。

だから今度は私から、
お花を贈るね。
大切な気持ちを込めて。

お花を差し出すと、
あなたは驚いて
でも嬉しそうに照れながら、
私に聞いたの。



ねぇ、この花どうしたの?
あぁ、いや、
この間のお礼、ってことは
分かるんだけどさ・・・

えっと・・・
自分で選んだの?
え?
店長さん?

うっわ・・・
マジかよ・・・



あなたは戸惑っていた。
嫌だったのかな、って
心配していると、



大丈夫だよ。
嫌なわけじゃなくてね。
ただ、
店長さんは知っていたんだろうね。
君と僕の事を。

ねぇ、
僕は自惚れてもいいかな?
君がこの花の意味を知っていると。
でも、確認はしなくちゃね?



そう言うと、
あなたは微笑んで
私に耳打ちをした。



ゼラニウム全般の花言葉は、
「尊敬」「信頼」「真の友情」
なんだ。

でも、君がくれた
赤いゼラニウムの花言葉はね・・・











君ありて幸福

なんだよ。






あのね
 なに?
本当はね
 うん
店長さんじゃなくて
自分で決めたの。
 え・・・?
だから私が選んだの!
 は?
っ、知ってて選んだの!!!
 ・・・
ねぇ、何か言ってよーっ



〈はぁ、可愛すぎるでしょ・・・〉





途中から
男の子目線に
なってしまいました






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