short story | ナノ


▽ アイリス



君はいつも泣いているね。

僕はその理由を、
今日こそ君に聞こうと思うんだ。
ねぇ、僕に教えてくれるかな?
君が泣いている理由を。

少し迷って、君は教えてくれた。
君は言うんだ。
泣きはらした顔に笑顔を浮かべて、
私はいらない子なんだ、って。



パパがね、
おまえはママのアイジンとの子なんだ、って。
何故おまえは生まれてきた、って。

ママがね、
あんたなんか生まれなければ
あの人ともっと一緒に居れたのに、って。

二人共そう言って
私を殴るの。

ほら、私はいらない子。

私は誰にも大切にされたことがないの。
だからかな・・・
友達にも嫌われた。
汚い、こっちに来るな、って。


でもね
もういいの
あなたもどこかに行って。

お願い・・・
一人にさせて・・・



君はそう言ってまた泣いた。

だから僕は言ったんだ。
そんなことないよって。

今日はね、君にプレゼントがあるんだ。
受け取ってくれるかな?
きっと気に入ってくれると思うんだ。

そうして差し出した
一輪の花




―――君に贈るよ。
      アイリスの花を。











ねぇ
 なぁに?
アイリスの花言葉知っている?
 ・・・しらない
じゃあ、教えてあげるね
 うん!



〈あなたを大切にします〉







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