「リナ、朝ごはんよ」

「はーい」


リビングからお母さんの声がして、私は下に向かって返事を返した。

自分の部屋から出てリビングに入ると、そこにはすでに朝ごはんが並んでいた。
私はすぐにテーブルに座ってトーストにかぶりつく。
きちんと手を合わせるのも忘れずに。

お母さんの手づくりジャムの甘い味が口の中に広がって、美味しさで思わずにやけていると、私の前にお母さんが呆れながら座った。


「緩みきった顔」

「だってジャムが美味しいんだもん」

「うれしい事言ってくれるのはいいけど、早く食べないと遅刻するわよ」

「わかってるって」


私は急いで残りのトーストを口に押し込んで、飲み物を一気に飲み干す。
行儀が悪いとでもいう風にお母さんに見られたが、そこは気にしない。


「ごちそうさま」


急いでお皿を片付け、バタバタと部屋に戻り、制服に着替えて今日の授業の準備をする。
私はカバンを持つと、玄関へと一直線。


「忘れ物はー?」

「大丈夫」


玄関で靴を履こうと屈んだ時。

「あれ?」


…今、何か聞こえたような気がした。
何の音かはわからないけど、聞こえた気がしたのだけれど。


「リナ、まだいたの?早く行きなさい。本当に遅刻するわよ」

「んー、お母さん何か聞こえなかった?」



 

[ 2/15 ]

[*prev] [next#]
[mokuji/list]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -