ふわりと首にまわる白い腕。ぎゅっと力が入って引き寄せられる。
へっ?何が起きてるんですか?
あ、女王様からいい匂いがする。

さすがは女王様。やっぱり高級な香水なんか使ってるのかな。

ようするに、私は女王様に抱きしめられてます。


いやいや、なんで? いやたぶん、会いたかったとか言っていたから白ウサギに会えて嬉しいとか?

でも私は白ウサギじゃないけど!
どうしよう、助けて!なんて黒ウサギ君はにこにこと笑っているだけで……。助ける気はないな。


「あなたお名前は?」

「リナです」

「そう。リナ、お城へようこそ」







私は今、お城の一室にいる。
あれから女王様は兵隊のような人呼ばれて、私と黒ウサギ君はこの部屋に案内された。

黒ウサギ君はどうやら疲れたらしく眠ってしまってヒマだ。


女王様は自由に見てまわっていいって言ってたから、少しぐらいなら老人に出ても大丈夫かな?

遠くまづ行かなければ大丈夫だよね。
ということで私は少し散歩という名の探検にでることにした。


ドアを開けて廊下を覗いてみれば、さすがお城。
長い長い廊下、少し歩いただけで迷子になりそう。

それに高そうな花瓶やらなんやらいっぱい飾ってある。
うっかりぶつかって壊したりしたら一生働いても弁償しきれないぞ。

ここはなるべく離れて歩こうかな。
なんて思いながら歩いていると。


−−−カチ、コチ。


あの音だ。あの時計の音!
私は足を止めて耳を澄ませた。



 

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