「うん!それじゃ入って」


黒ウサギ君が手をかざすと、人が一人通れるくらいの大きさの暗い空間が現れた。

入ってということは入るんだよね。
また落ちなければいいのだけれど。

恐る恐る私は足を入れてみる。よかった大丈夫、今度は落ちなかった。

今いる所はさっきまでいた森の中にいたのに、ここは豪華な場所だ。


天井にはシャンデリアが輝いていて、床はピカピカと綺麗に磨かれている。
あまりの場所の変わりように私は固まってしまった。

広すぎるし、豪華すぎる


「誰?」


広い部屋の中に透きとおるような高い声が響いた。
声がしたほうを見れば、金髪でウェーブがかかった長い髪をした、私と同じくらいかな?女の子がいた。

動きに合わせてひらめくレースのついたピンク色のドレスを着ていて、見た目はお人形さんのようだ。


「女王」

「黒ウサギ!あなたはまた無断で入ってきて。何度も言っているじゃない」

「ごめんなさい」


しゅんと耳をたらす黒ウサギ君に、女王はそれ以上怒らずにため息をついた。

女王様からのセリフからして、何度もこうやって入ってきてるんだろうな。


「それで、そちらの方は?」


私を見てふわりと微笑んだ。
かわいい、というより綺麗だ。


「女王、お姉さんは白ウサギだよ」

「まあ、あなたは白ウサギなの?」

「そうみたいです」


私はなった覚えはないけど……。なんて心の中で思った。


「会いたかったわ、白ウサギ」



 

[ 12/15 ]

[*prev] [next#]
[mokuji/list]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -