クオンを少し外に待たせて、フィンシアはギルドへと入る。


「あまり平和じゃないな」

「しょうがないですよ。今の世の中は物騒ですから」


フィンシアが眺める紙の束には、魔物の討伐がほとんどを占めている。


「これも穏やかじゃないな…」


目に止まった内容は山賊だかの襲撃か何かで崩落した村の探索。
こういう内容は今までもあったが、最近は増えてきた。


「普通の人は入りたがらないですから。荒れた所は魔物が住みやすい、誰かに頼むしかないのですよ」


そう薄く笑う受け付けに適当にフィンシアは仕事を選んだ。




「待たせて悪かった………?」

外にでて、待ってるはずのクオンがいなかった。


「クオン?」


角の方を覗けば奥に少し広場になっている場所にクオンがいた。
ハトが集まっている所にクオンがそっと近づいていくがハトは逃げていってしまった。

ハトを追って上を見上げるクオンが手をのばす。


「クオン!」


予想以上に大きな声で呼んでしまった。
だけど、そのくらいフィンシアは慌てたのだ。


「フィン」


気づいたクオンがフィンシアへと駆け寄ってきてぎゅっと服を掴んだ手を見て安堵した。


「帰るか」


頷いたクオンは、歩きだしたフィンシアの後ろをついていため難しい顔をしたフィンシアに気づかなかった。


 

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