結ばれる事のない思い。

『悲恋』という名の悲しい愛。


この思いは届かないのだろうか…







「ああ、ジュリエット。貴女はどうしてジュリエットなのでしょう…!」

「さぁ?それは親がそうつけたからじゃない」

「じゅっ…ジュリエット!?」


そう、私の名前はジュリエット。
結構な金持ちの貴族に生まれて、なに不自由なく育った。
ゴーイングマイウェイな二人に育てられた私は「あんな奴らみたいになったらダメだ!」と思い、お手伝いさんに半ば脅し気味で家事をやらせてもらっていたりする。

あの両親は歳をとった今でも、おしどり夫婦というか私からみたらただウザイだけのバカップルだ。
昼間っから自分達の世界に入り、その中に私を引きずり込もうとするからウザイのなんの。
それプラス親バカだから倍増してる。


私は毎日、単調な毎日で退屈な日々を過ごしている。






「ねぇ、ロミオはなんでそこにいるの?」

「ん〜、なんとなく」


首を傾げらながら答えたロミオ。
ロミオがいるのは私の部屋が見える庭。

こいつは私の幼なじみ。
こいつの家も結構な金持ちのお坊ちゃま。
背が高く、爽やかな笑顔の好青年。

そんなやつが何故ここにいるかというと、それは簡単なこと。
家が隣同士だから。


「あら、ロミオ君。いらっしゃい」

「あ、お邪魔してます」


そして親同士も仲が良く、みんなで仲良くお茶会なんかもやるほどだ。
争いもなく、平和な日々を過ごしている。


「ロミオ、そんな所でバカなこと叫んでないで上がってきたら?」

「バカってなんだよ!」


口を尖らせて、そっぽを向いた。


「お茶とお菓子を用意しとくら、上がるなら上がりなよ」

「ジュリエットが入れてくれるの?ちょっと待ってて、すぐ行くから!」







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