ハロー、ハロー。
柄にもなく花を育てる俺は、滑稽に見えるけど……。




花瓶に花を飾る俺をじっと見つめてく。


「パパ〜」

「何?」

「毎年、この日になったらそのお花かざるね」

「そうだよ」


今日は朝、花屋に行って買ってきた。
最近の花屋って色んな花売ってるんだな。
でも買うのは決まってるから迷わないけど。


「パパ、お花似合わな〜い」

「それはパパも知ってる」


ケラケラ笑う娘に、笑いながら答える。
自分でもわかってる、花が似合わないのは。


「あのお花も育ててるね。ママも大切にしてる」


娘は窓辺に置いてある花を指差した。
絶対に枯れない花。花を育てた事がない俺のために絶対にまじない的な何かかけているような気がする。
それでもこれはあいつが残したものだから大切にしたい。

『また会える日まで』と『幸せに』なんて、似合わないなんて笑いながら残していった二種類の花。


「あっ、ママ!あれ?ママもパパと同じお花持ってる」


娘に言われて見れば、…本当だ。同じ花を買ってきたみたいだ。
なんだか……幸せだ。







ハロー、ハロー。
お前が持ってきた花は毎年きれいな花を咲かせてるよ。

多分、お前の一番近くには花があるだろうから。俺は『また会える日まで』の花をこの日に飾ろう。
お前が起きるまでの間、俺はお前の代わりに沢山の『幸せ』を見つけるよ。




ハロー、ハロー。
だからお前は良い夢を見てくれ。
お休み、また会える日まで。


 

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