僕が起きたのはつい最近。
今まで僕はずっと眠っていた。

ずっとずっと眠っていたんだ。
いや眠ってたのかもわからないから、どうなんだろう?
たまに起きたかもしれない。途切れ途切れに覚えている。


木々から差す眩しいくらいの光りを見たのを記憶に残っている。



うつらうつらとまどろんで、気づいたら僕は目が覚めていた。


『僕は………、そうか眠れたんだね』


起きた僕と入れ代わりように、彼−−兄さんは永遠の眠りについた。


最後に会った兄さんの側には恋人がいたし。まぁ本人は否定してたけど。


でもこうやって今は孫がいる。
ちなみに兄さんには可愛い娘さんがいた。
ちゃんと幸せになったみたい。


娘さんとは仲良し。孫の女の子とも仲良しなんだけど、彼とはどうも…。

それもそうか、いきなり『おじいさんの弟です』って現れて彼より若いからね。
僕はまだ17歳で彼は20歳だからね。




あの時から僕は歳をとっていないし僕はあの時、彼女と一緒に、ずっと傍にいること−−−彼女と眠り続けることを決めた。



彼女が僕の事を考えて起こしてくれたのだろうけど。
僕は………。



うん、考えるのはよそう。
僕は起きたばかりだ。


だけどもう少しだけ、まどろんでいようかな。
もう少しだけ……。


 


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