サイノウサンプラー
※グロ注意
おれは剣城が羨ましくて羨ましくて、実験台にしようと決めた。
横になっている剣城が、今おれのものになるんだ。
綺麗な肌で、蹴る力は凄くて、剣城の才能っていいなぁって思ってたんだ。それで、おれに分けて欲しいからメスを取った。
初めてこんな不思議で気持ち良い感触を知った。どれも良い快感で、時間はすぐに経ってしまった。
「つ…るぎ…?」
目の前に居る剣城は、動かなくなった。
なんでっ…おれ……こんな、こと…。剣城が、動かな、い…。こんな筈じゃ、無かったのに…!
剣城口が動いてる。いや、震えてるの方が正しいのかな。ねぇ、何言ってるの?
おれはまたあの感触に浸りたくて、また剣城にメスを入れた。
不明で不能な感覚。知らないよ。おれは今君のことなんて、シラナイ。でも剣城のことをもっと知りたいな。
ふと目に入ったのは、ホーリーロードに優勝した時の写真。みんな嬉しそうで、嬉し、そう、で。
ちょうど真ん中には剣城が居て、隣にはおれが居て、ああそういえば剣城と初めて一緒に必殺技をやったんだなぁって思い出した。点が入った時は凄く嬉しくて、しょうがなかった。
なんで、見ちゃったんだろう。おれはその場で立ち尽くした。
それも欲しくて、これも欲しくて、いつしかは継ぎ接ぎだらけなコレクションになっていた。でも、どうしても君にはなれない予感がした。
なんで、おれはこんなことをしたんだろう。
おれはただ剣城みたいになりたくて剣城みたいになりたくて剣城みたいになりたくて―――。
震えて何かを訴えていた口は動かなくなって、どんどん体は冷たくなって、剣城は何も動かなくなっていた。
泣いたって駄目なのに。泣いたって、ただ時間は過ぎていくだけで、戻りはしないのに。それでもおれは泣き続けた。
おれも剣城のところへ行く。今行くよ。
おれは剣城をゆっくり床に降ろして、今度はおれが実験台に横になった。
ただ、君が羨ましくて。
ただ、君が大好きで。
ただ、君が欲しくて。
ただ、君が愛しくて。
それから世界は真っ暗になった。
サイノウサンプラー
(ごめん剣城)
(許すなんて言葉は要らない)
(おれは、君の)
原曲 サイノウサンプラー / 電ポルP 様
この世界のメロディー!!様に提出
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