▼ ▼ ▼

『滝くん、ホワイトバレンタインだって』

「へぇ」

『どうでもいいって感じだね』

「そうでもないよ。なんなら、温め合う?」

『そういうネタは知ってるんだね』

「お褒めいただきありがとう」

『褒めてはないんだけどね』

「それにしても梓月さん、今日早いね」

『え、そうかな』

「いつもはこれより2本あとのバスでしょう?」

『何で知ってるのかな?』

「ふふっ何ででしょう」

『い、意味はないよ!ただ早起きしたから早めに乗っただけ!』

「ふうん?そうなんだ」

『そうだよ?』

「ふうん」

『……ホントだってば』

「じゃあ、そういうことにしとこうかな。それにしても誰も乗ってこないね」

『雪だからじゃない?』

「まぁ、この雪じゃ学校も休校だもんね」

『え』

「あれ?梓月さん知らなかったの?今日は学校お休みだよ」

『うそっそんな……ホントだ……お母さんから連絡入ってる……』

「おもしろいなぁ」

『そういう滝くんこそ!学校に向かってるじゃない!私と一緒だよ!』

「いいや、梓月さんとは違うよ」

『どこが違うの』

「俺は梓月さんがこのバスに乗ると思って乗っただけだから」

『な、何それ』

「くれるんでしょう?チョコ」

『……』

「今日はホワイトバレンタインだし、なんなら、温め合おうか?」
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -