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『謙也先輩、とりっくあんどとりーと』

「おうおう!待っとったっちゅー話や!ほら飴ちゃんやで!ってちょい待ち今なんて言うた」

『とりっくあんどとりーと』

「と、とりっくあんどとりーと?」

『お菓子貰ったらいたずらするって意味らしいです』

「え、ちょ、梓月、おま、待てっちゅー話や!そんなん卑怯やろ!聞いてない!」

『ちゅーわけで、謙也先輩にいたずらしますね』

「いたずらしますね、ちゃうわ!なんでこないな時だけ満面の笑みやねん!いつもは無表情やろ!」

『なんですか謙也先輩ギャップ萌えでもしましたか』

「しとらんわ!」

『ほんまやめてくださいね謙也先輩そんな冗談、寒気がするんで』

「しとらん言うとるやろ!ほんまに嫌そうな顔すな!」

『で、どんないたずらがいいです?』

「選択権あるんか」

『いや無いですけど』

「無いんかい!」

『無い』

「言い切りおったな……ああ、ほんまに梓月と話しとったら頭いたなるわ。くらくらしてきた」

『血糖値低いんちゃいますか。あ、そうだこの飴あげます』

「いや、これ元々俺の」

『ハロウィンに黒糖飴なんてセンス無いモン持っとっても意味ないですし。じゃあ、謙也先輩にもう会わないことを祈って。はっぴーはろうぃん』

「……遠回しのいらん発言と中途半端な優しさに泣きそうっちゅー話や……」
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