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『は……もう、あつい、やめて』


隣のあつい体温がさらに近づいて、腕も足も絡め取られる。ただでさえエコだのなんだの一人暮らしの家だからと言ってエアコンも扇風機もつけずに外から吹き込む風だけを頼りに体を冷ましているのに。これじゃ逆効果だ。
ああ、もう、あつい。


「なんで?てんはシたくないと?」
『ばっ、ふざけんな!』
「ふざけてなんかないばい!いつでも俺は真面目やけんね」
『余計やだ』
「えー……シよ?」


耳元であつい吐息と共に吐き出された誘惑は、それでもやっぱりあつさにはかなわない。千歳の重い腕を払いのけて、私はぬくもったシーツから逃げるべく、寝返りをうつ。その度に千歳は距離を縮めて、ついに私は逃げ場を失ってしまった。


『千歳狭い』
「こっちにくればよか」
『やだあつい』
「てんは俺んこつば嫌い?嫌いやからこっちにこんと?」
『……別にそんなこと言ってない』


ああ、もう、何言わせんの。再び絡み取られた腕も足もあつくてたまらない。


『千歳のせいであついの!気づけばか!』


寝返りと共に睨み上げた千歳の顔はきょとんとしていたけれど、次第ににやにやと口角を上げていくのを見ると、またなんだかあつさが増してきた。
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