『マムシさん』

「……」

『かおるちゃん』

「……」

『海堂くん』

「……なんすか」

『あ、やっと返事したー!』

「……」

『だんまりはなしだよ!なんか話そうよ!』

「梓月先輩と話すことなんて何もないっす」

『そんなつれないこと言わないでさ!』

「っていうか、なんで俺の番号知ってるんだ」

『ふふ……内緒!』

「……」

『……』

「……」

『……乾くんですごめんなさい』

「……チッ」

『ご、ごめっ……迷惑っ、だった……よね……っ』

「な、なんで泣くんすか!?」

『だって、か、海堂くんがっ……舌打ちしたから……』

「ち、違う!」

『違うって何が!?舌打ち聞こえたもん!』

「そうじゃない、番号、なんで人伝えで聞くんすか……」

『え?』

「お、俺に直接聞けば……」

『海堂くん……!』



「で、あの二人はなんでこんな至近距離で電話してんだ?」

「知らないっす」

「そうだね、バカップルはほっといて部活に行こうか、桃、越前」
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