『丸井ー』

「なんだよ」

『べっつにー』

「今何時かわかってんのかお前」

『0時ぴったりですよー?』

「酔ってる?」

『未成年です』

「ああ、そういえば」

『そういえばってああん?老け顔ってかてんめぇ』

「誰もそんなこと言ってねぇだろい?なんだよ、俺の隣にいたらその大人っぽい顔がより目立つこと気にしてんの?俺はどんなてんでも愛してっから別に関係ねぇだろぃ?」

『ああそれよりもだよ』

「聞けよ」

『私丸井直々に言いたいことあってさ』

「お、おう?」

『あのさ』

「告白的な?」

『明日、古典の課題見せて?』

「……こんな時間に電話かと思ったら要件それだけかよ!」

『なんだよ私にとっては死活問題だよ』

「はいはい、国語が超苦手なてんサンのために国語が天才的に得意な丸井様が特別に貸してやればいいんだろぃ!」

『ありがたやありがたや』

「おい、棒読み」

『んだよー本心で心をこめて言ってるじゃないか』

「心感じらんねえよ」

『なんだと!私がこんなにも心をこめて誕生日を祝ってあげているというのに』

「は」

『だから0時ぴったりに電話してあげたじゃない』

「いや……え、は?」

『今日は君の誕生日でしょう?』

「えっ……うっわぁ、自分の誕生日とかすっかり忘れてた」

『だっさ!』

「う、うるさい!最近部活がハードすぎて今起きてるのも奇跡的なんだからな!」

『その奇跡信じて電話してよかった』

「てん」

『何』

「……サンキューな」

『こちらこそ……生まれてきてくれてありがとう』




「っていうちょっと恋人ごっこ思いついたんだけどどうよ俺天才的ぃ?」

『全力でひいた』
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