「初詣に行こうよ」

『……』

「どうかしたかい?」

『先輩が何故私の番号を知っているのかと』

「そんなことより初詣に行こう」

『……今からですか?』

「駄目かな」

『もう深夜近いですし』

「だから初詣に誘ってるんじゃないか」

『でも親も寝ちゃってるし』

「新年を迎えるんだからきっと親御さんも気にしないよ、なんなら後で俺がご挨拶するよ」

『え!いや、それは、大丈夫です!』

「……梓月行きたくないみたいだね」

『行きたくないわけでは』

「俺と一緒じゃ嫌なんだ」

『嫌じゃない!』

「……」

『……』

「ふうん?」

『な、なんですか』

「嫌じゃなければ、なんでそんなに断ろうとするのかなって」

『それは!だって……先輩と二人、なんでしょう?』

「それはそうだよ、俺はデートに誘ってるんだもん」

『でででデート!?』

「俺とのデート、断るわけないよね?」

『ううう……』

「10分あげるから早く出ておいで」

『えっ……』

「ほら、早く」

『まさか!』

「君のせいで倒れちゃうかも」

『〜ずるい!』

「なんとでも」
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