『柳くん起きてますか』

「……起きてるんだから電話に出たんだろう」

『で、ですよねー』

「どうした梓月、お前から電話とは珍しいな」

『うん、私もそう思う。なんで私柳くんなんかに電話したんだろ』

「なんか、とは少し失礼じゃないか?」

『うっ、それはごめん……』

「まぁいい。で、どうする?切るか?」

『えっ』

「なんで電話してきたのかわからないんだろう?」

『そうだけど……』

「じゃあもういいな」

『ま、待って!柳くん待って!』

「ん?」

『いや、えっと、あの……』

「なんだ?はっきり言わなければわからないぞ?」

『……少しだけ、少しだけ柳くんの時間貰ってもいいかな?もう夜も遅いし、迷惑だって思ってるかもだけど、ちょっとだけお話したいな、なーんてあはは、ごめん、切っていいよ』

「と、お前が言う確率は100%と出ていた」

『え……』

「俺でいいのか?」

『……柳くんがいい』

「その言葉を待っていた」



電話の向こうで



『笑ってるでしょ』

「笑ってなどいない」

『うそだ!』

「じゃあうそだ」

『もう!柳くん嫌い』

「それこそうそだろう」

『……うん』

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