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じめじめとした季節がやってきた。
梅雨入りしてしまった6月某日、今日も朝からどんよりとした雲に覆われて、大粒の雨が降っている。


『あーあ雨かぁ』
「梓月さん雨嫌いなの?」


隣の席のおおとりくんが私のつぶやきが聞こえたらしく、にこやかな笑みをたずさえて聞いてきた。こんなじめじめとしているのになんだか彼のまわりはすっきりさっぱりさわやかだ。まぶしいなぁ、おおとりくん。


『まぁ、毎日これだとね……髪の毛もうねっちゃうし』
「そう?梓月さんの髪の毛とてもきれいだと思うけど」


あーあ、なんでこんなにさらりとくさいこと言えちゃうんだろう。このいけめんくんめ。女の子たちがこういう一言に内心ドキドキしているのを知らないから余計たち悪い。


『ありがとう、おおとりくん。お世辞でもうれしいよ』
「お世辞じゃないんだけどなぁ」
『そういうおおとりくんの髪の毛、ふわっふわしてて気持ちよさそうだよね』
「えっ!?」
『さわってみたいなーなんて……あ、冗談だよ!?今のは冗談だからね!?』


やばい、この一言はまずかったよね。変態と思われたかもしんない。うわあああおおとりくんに変態と思われながら一生暮らすなんて私には無理。生きていけない!なんて思っていたら、顔を赤らめたおおとりくんが小声で「梓月さんだったらいいよ」とか言ってくるもんだから、変態発言ぐっじょぶって考えた時点でアウトですよね。
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