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『ねーなんで最近こんなに暑いの?』
「いや、知りませんよ」
『知っとけや日吉ィ!お前後輩の分際でよぉ!』
「え、ええー」
『っていうのはもちろん冗談だ』
「はあ」
『あ!ため息をついたな日吉、幸せ逃げるぞ』
「そんな迷信めいたことまだ信じてるんですか、子供ですねぇ」
『……日吉には言われたくないんだけど』
「何か言いましたか?」
『ナンデモナイデス』
「それにしても本当に暑いですね」
『でしょう?だから最初に私が言ったじゃない、暑いって』
「そうでしたっけ」
『あーもう暑さでその頭どうにかなったんじゃないの?って、あーそっか元からどうにかなってたかー』
「……殴りますよ」
『じょ、冗談だってば』
「はぁ……」
『あ、またため息……これでまた日吉の幸せは消えたね』
「別にいいですよ、そんなもの……それに、その幸せ逃げた分だけ、梓月先輩が幸せにしてくれるんでしょう?」
幸せ逃げたその先『……何を言ってるのかなこいつは』
「俺、本気ですけどね。それとも梓月先輩は俺を幸せにする自信ないんですか?」
『ばっ、そんなわけ!……ないし』
「じゃあ決まりですね」
『は?』
「結婚しましょう」