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『はーるよこい!』
「もうすぎさったあとだよ、梓月」
『……それもそうか』
「ふふっ、うっかりやさん」
『あ、でもほら、来年の春があるじゃない?』
「ああ、そうだね」
『じゃあ、来年のはーるよこい!』
「気がはやすぎだよ、梓月」
『……そうかな?』
「僕はそうだと思うけど」
『不二くんはそう思っても、私は思わないから大丈夫!』
「何が大丈夫なのかわからないけど、大丈夫ならよかったよ」
『うん!』
「ふふっ」
『へへっ』
「梓月は春が来たら何したい?」
『んーやっぱり今年みたいに不二くんとお花見がしたい!』
「そういうと思って、今年も気合いれてお世話をするつもりだよ」
『不二くんがその気になったらすごいもんね!楽しみにしてる!』
「そう言ってくれると嬉しいよ」
『あー楽しみだなぁ、サボテンのお花見会!』
「なんかさっきから変な会話が聞こえるんだけどあれなんなんっすか」
「越前お前知らないのか」
「あれは、最近新しく学校の七不思議に加わった妖精カップルだよ」