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『日吉はさぁやっぱりこうやって見るとかっこいいねぇ』
「……は?」


さらさらと流れる前髪に手を伸ばしながらそう言うと、ぎょっと目が開かれた。寧ろ痛いくらいの力で腕を掴まれ、その腕をはねのけつつ思いっきり距離をとられた。なにこの態度。人がせっかく褒めてるのに。ひどいやつだ。


「いいいいいいきなりなんなんだ!」
『え?本当のことを言ったまでなんだけど』


あ、椅子から落ちた。そんな大げさに嫌がらなくてもいいのに。近くに置いてあった紙パックのジュースをじゅるると飲めば、苺の風味が口の中に広がった。


「梓月、お前、それ!」
『ん?このジュース?』
「俺のじゃねえか!」
『ああ、そうだったっけ、ごめんごめん返す』
「返すってお前……」


はいとジュースを日吉の手に押し付ければ、耳まで真っ赤になった日吉。何赤くなってんだ。熱?熱でもでちゃった?こんな急に?


「何間接キスしてんだよ……」
『ぶはっ』
「わ、笑うな!」
『誕生日プレゼントだよ』
「はぁ!?」


ふざけんなと大声で怒鳴った日吉は、私の頭を思いっきり叩いた。痛いなぁ。そんなの冗談なのに、むきになっちゃって。いらないなら私が飲むし、なんて言うと、またもや私の手を払いのけて、いっきにじゅるると飲んだ日吉。なぁーんだ、やっぱり日吉の欲しいもの、あたってたんじゃん?
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