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いつも部活で忙しい彼氏を持つ私にとって、彼とのデートはたいへん貴重な時間だ。そして今こうして、おしゃれなカフェで二人向き合って、大好きなスイーツを堪能するこのひと時も私にとっては嬉しくて嬉しくてしょうがない。久しぶりに彼の綺麗な顔を独り占め。なんて笑っていると、幸村くんは困ったように笑った。


「またなんか考え事?」
『んー?幸せだなって』
「またそんな嬉しいことを言う」


ゆっくりとカップに手を伸ばし口元に持っていく幸村くんは本当にかっこよくて、私にとって不釣り合いなこの空間にあってもなにもおかしいところなんてなくて、そんな素敵な彼氏を持った私はなんて幸せものなんだろうと考えると、口元が緩んでしょうがない。


「ここのケーキ、おいしいでしょう?」
『うん、とても』
「よかった。丸井の情報も結構役に立つね」
『丸井くん情報なら間違いないよ』
「そんなにてんに信頼されてるんだ、丸井」
『スイーツに関してはね』
「それでも。妬けちゃうなぁ」


眉を下げて本当に残念そうに言う幸村くんに何処か安心感を覚える。それと同時に鼓動は早くなるばかりで、思わず口に含んだホットココアで舌を火傷した。痛いなぁ、でもそれを忘れさせてしまうほどに甘い。幸村くんはココアみたいだ。なんて言うと、なにそれなんて笑われたけど。あったかくて甘くて。それになによりも大好きだ。
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