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『木手さん木手さん』

「おや梓月さんじゃないですか」

『こんにちは』

「こんにちは」

『木手さん木手さん』

「はいはい、なんですか」

『呼んだだけ』

「……なんですかそれ」

『木手さん木手さん』

「何か用でも」

『今日何の日か私知ってますよ』

「ほう」

『木手さん木手さん』

「で、何の日だって言うんです?」

『お誕生日おめでとう』

「……憶えててくれたんですか」

『えーしろーさん』

「……それがプレゼントだとでも?」

『だめ?』

「いいえ、十分すぎるくらいですよ」
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