▼ ▼ ▼


『ねぇ、やぎゅ』
「はい」
『ちゅーしよ、ちゅー』
「はい……えっ、はぁ!?」


なんかしらないけどなりゆきで同じ学科の仁王に誘われ、柳生の家にやってきたのはいいものの、調子に乗りすぎて、仁王とともに飲みすぎた。
仁王は毛布を引っ張ってきてさっさと床で寝はじめるし、柳生は柳生ではじめっからたしなむ程度にしか飲まず盛り上がりにかける。凭れていた柳生のベッドにぐったりと突っ伏せば、柳生の匂い。落ち着くうえっぷ。


「ちょっ、梓月さん!こんなところで吐かないでくださいね!?」
『大丈夫大丈夫ーあはは』
「あははじゃないですよ……だからあれほど飲みすぎないでくださいと」
『だって仁王が』
「だってじゃないですよまったく……お手洗いに行きますか?」
『お水ください』


立ち上がりざま呆れたようにため息を吐いた柳生は水の入ったペットボトルを持ってきてくれた。ホント優しいな。こうなったのも自業自得なのにね。


『ところでちゅーは?』
「しません!」
『えー』
「えーじゃないです。そもそも私と梓月さんはそういった関係じゃないですし」
『じゃあそうなったらいいの?』
「は」


少し開いた口に勢いまかせに舌をねじこんでやる。驚いた顔をした柳生はしばらくすると目を伏せて、耳まで真っ赤で、そんな柳生の顔を見下ろす。あーあいい眺め。と思ったのもつかのま、ぐるんと視界がひっくりかえって、あっという間に柳生に見下ろされていて。
あれ、おかしいな。こんなはずでは。


『あの、柳生くん……仁王がいるんですが』
「ああ、気にしないで結構です。彼も承知の上です」
『!?』
「まさかこんなにやられるとは思ってなかったですけど……乾き癒してくださいね?」


とまぁ、そんな感じで愛しあいましたとさ。とりあえず、仁王後で体育館裏な。


(仁王!話が違う!)
(何がじゃ)




▼たまたま柳生が好きなことを知った仁王がなりゆきでとりもつために宅飲を提案したんだけれど、柳生も柳生でそのこと知ってて仁王とタッグくんでたって話。わかりにくいかな?
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -