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いやぁ、なんか知らないけど最近まで暑かったのに急に寒くなったねぇ。
なんて、隣に並んで一緒に帰っている真田に言えば、少し顔をしかめられた。え、なんで?
どうやら季節上でも秋になったわけだし寒くなるのは当たり前だろ、と、そういうことらしい。
いや、そのくらいにもわかってるよ。でもさ、ほら、日によっては昼間とかめちゃくちゃ暑いから、推し量れなくて薄着で来ちゃうときってあるじゃない?つまり、今現状すっげー寒いんだよね私、っていうことが言いたかったわけで。でもそんなこと言えないから遠回しに言ってみたけど、やっぱり真田には伝わりませんでした。
そうですよね、そんな浅はかな考えを持ったわたくしが悪うございました。


「さっきからぶつぶつと……何が言いたい」
『べっつにー』


むう、と唸った真田は解せないという顔で私を見てきた。
言わなきゃわからん、ってことなんだろうけどさ。私も女の子だし、こういうのはちょっと気づいてほしいよね。まぁ、真田の魅力はそこにもあるし、高望みなんてしないけど。


「そうだ梓月」
『んー?』
「まぁそのなんだ……」
『何よ』
「寒いのならスカートを短くするのを辞めたらどうだ?」


ああもう、ホント、そういうことじゃないんだけどなぁ。でもまぁ、真田らしいっちゃ真田らしい。急に笑いがこみ上げて来て一人で大爆笑してれば、意味がわからんって感じの顔をして真田は私を見た。もういいよ、真田はそのまんまでさ。


『そうだね……それが真田の好みならそうしとこうかな』
「は!?」


ぶわっと顔を真っ赤にした真田にまた爆笑。照れ隠しに怒られそうになったので、そんな真田が好きだよ、って捨て台詞残して私は走り出した。
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