台風騒動24時
たまたまテレビをつけたら天気予報で、台風の進路をアナウンスの声が伝えていた。
沖縄はがっぽりサークルの中だ。
うわ、まじか。
そういえば本を読んでて気づかなかったけど、雨がざあざあ降ってる気がする。
スマホでLINEを開いて、比嘉中グループを選択。(比嘉中グループといってもいつものメンツしかいない。つらい。)
台風だって、という呟きは、ゆっくりと既読を増やしていくが、反応は無し。寧ろ一人は見てない。
なんでだ、台風だぞ。一大事じゃんどうすんの。なんでみんな呑気なの。ねえ、ねえ、なんで無反応なの。
「うっるさい!上代うるさいやし!」
「上代うるちゃい」
同じクラスの二人がほぼ同時に呟く。
やっと反応を返してくれたうれしさ、プライスレス。
『無視されてると思った!嬉しい!』
「いや、何の話よ」
「せめて台風の話しろよ」
『そう!台風!台風8号だよ!みんな!大丈夫!?』
「いやまだ来てねーらん」
『そうだけど!』
「上代、雨大丈夫?雷怖い?」
既読はつけていたものの、まだ発言してなかった知念くんが呟く。
知念くん優しい……他の二人と違って知念くん優しいよ、しみわたるよ。
でも、私雷そこまで怖くないんだ……本読んでて気づかないくらい怖くないんだ……。
女の子らしくなくてごめんね。
『いや、大丈夫だよ』
「それならいいさ」
『ち、知念くん……!』
「はいはい、いちゃこらしとらんけー」
「よそでやれー」
『いちゃこらしてないしね!?』
「いちゃこら……」
『知念くんも気にしない!』
しかしなんて余裕っぷり。みんななんでそんなに落ち着きはらっているんだろう。
台風やばいじゃん。いろんなものふきとんじゃうじゃん?雷も雨もやばいし、川も増水、海も荒れるし。
「まぁ、台風はいつも沖縄を通って行きますからね」
『あ、えいしろー』
「雨戸をちゃんとしめて、もしもの時を考えて行動しなさいよ」
「はーい」
「はいはーい」
『ほーい』
「永四郎も気を付けるやし」
「当然ですよ……それはともかく、みなさん今何時だと思ってるんですか。24時すぎましたよ、いつまで起きてるつもりです。そんなんだから日中気が抜けたり寝たりしてしまうんです。いい加減に寝なさいよ。」
既読をつけて寝ました。