シャツから覗く
セクシーだな、とも思う。
だが、それはそれだ。
私のこと変態だと思った?変態なのは平古場なんだよ?
目の前にいる男の腹を思いっきりぐーぱんしてやった。そうやって悶絶しとけ。
「なーにするかやぁ!」
『貴様が悪い』
蹲りながら睨み上げる平古場に、さらに1、2度冷たい視線で見下ろした。
暑いのはわかる。暑いのはわかるんだけどさ。
でもさ、女の子の前でそれはないんじゃないの?
シャツのボタンを全部外して、中には何も着てない状態で、私に近づいてきた方が悪いんじゃないの?
「だって中にタンク着てくるの忘れただけだのにー」
『忘れたからってさぁ……』
「ぬーがや」
『これ、私だったからグーパンですんだものの、他の女子やったら通報レベルだから』
「大丈夫大丈夫、女子にはしないやっし」
『おい貴様私が女子ではないと?そこになおれ成敗してくれる』
「上代時代劇の見すぎよ!」
『っていうかテニス部のユニフォームきりゃあいいじゃん』
「あ、なるほど!」
目からうろこが落ちそうになるほど、目を大きくあけた平古場は、その手があったか、と納得顔。
もう少し早く気づけよ。私に会う前から気付け、バカ。