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うちの店長は誰よりもはりきっている。
開店する数時間前には既に来ていて、私たちが来た時には、掃除だの準備だの全てが終わっている。
そのおかげですることもないし、のそのそ着替えていれば、扉越しに早くしろという怒鳴り声。
そんな早く着替えても。
どうやら謙也店長はミーティングがしたいらしい。
狭い空間にびっしりと人が集まって暑苦しいのに、更には謙也店長の大きな声。
毎朝「頑張ろう」三唱とか意味がわからないし。うるさすぎる。
そっと耳をふさいでいると、ばっちりと目が合って、少しだけ眉が上がった謙也店長だが、何も言わずにミーティングを進めていく。
ああ、多分あれ、ミーティングを早く終わらせたいからだ。
もう3年もここにいれば、考えていることがなんとなくわかってくる。
まぁ、でも、あとで呼び出しかもしれない。

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