▼!4日目(2)
『ノボリさん、仲間が増えました』
「 チュラ! 」
★「 チュッラァ! 」
「……………随分、元気なバチュルでございますね」
『ああああ!こらっ!!やめなさいシギ!アギも、めっ!』
「「 チュラチュラチュラアアア! 」」
『キャー!!』
「 …ンモッシ 」
シギは紫戯と書いて、色ちがいのバチュル、アギは青戯と書いて2匹を対にした名前にした。 あの後は道具を元気な3匹に集めてもらい、全部バックに詰め込んだ。 なんだかガチャガチャの景品を詰め込んでいるみたいであまり人前で開けたくはない。
冒頭のは紫戯を筆頭に青戯がノボリさんに飛び掛かりデンキネットでぐるぐる巻きにして、注意をすれば今度は私にデンキネット!
イロリは呆れてため息。
いい子達なんだけど好戦的なのはいただけない!
『あ、そう!聞いてよノボリさん!森で道具をいっぱい拾ったの!!イロリ、お願い』
「 モシモシモシッ!モーシー! 」
バックから出してゆく道具をイロリに元の大きさに戻して貰いつつノボリさんがせっせと道具毎に分けていく。
『これで全部…かな』
「大漁でございまし。………しかし些か不思議でございます、何故裏の森に、─偶然にしては少々不気味ではございませんか?ヒトモシに出会い、私に出会い、バチュル達に出会い、道具まで…」
『……………うーん、確かに不気味ですけど、私は甘んじて今の現状を楽しみたいです。ノボリさんに出会えたのも何かのご縁ですから。もちろんイロリ達にも言えることですがね』
でも、確かに不気味。 イロリに出会えたのは凄く嬉しかった。 ノボリさんに出会えたのはびっくりした。 シギとアギに出会えたのはちょっぴり怖かった
でも今が楽しいなら、それでいいとも思う。
例えこれが、儚い夢物語であっても………
『……イロリ、最初にゲット出来なかったけど、私のモンスターボールに入ってくれる?』
"私のモンスターボール"だなんて呪縛をかけて、死ぬまで共にあれることを願う。
イロリは凄く嬉しそうに、笑ってくれた。
『ありがとう…!』
これは私の自己満足にしか過ぎないけれど、いつまでも一緒に居れたらいいな。
「ナマエ様、道具は一旦置いて置きましょう。晩御飯が冷めてしまいます」
『はい!ノボリさんのご飯、楽しみだなー、あ、シチューとサラダ、グラタンですか?』
「そうでございます。疲れた体には甘めの胃に優しい料理を、と思いまして。いただきます」
『いただきます。…うわあ美味しい!ノボリさんいいお嫁さんになれますよ!私がお嫁さんに欲しいくらいっ』
それは晴天か、暗雲か ………何故トレーナーは私だけなのでございましょう…
20120528
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