▼!3日目

そう、水曜日の何がいいかって?
基本的に水曜日とか暇な日じゃねーかと思われる人がいるだろうが、それも間違いではない。


ただし、今日を除いて



「ハァイ!皆こんにちわ!!」

『「「「こんにちわー!」」」』

「いいわねー、皆元気もりもりね!今日は1人1人、ワタシと好きなポケモンについて語るわよ!」

『「「「はーい、博士ー!」」」』



目の前にいるのは白衣を着た女性、そう、何を隠そう彼女はこの店舗の店長である。
そしてコスプレイヤーでもある。

今日は月に一度、店長が騒ぎを起こす日であった。

ある時は、コスプレでお客様に紛れ込んで勝手にバトル大会を開いて大人気もなく勝って小学生を泣かしていたり

またある時は、コスプレ仲間を引き連れパーティーを組み、ぐるぐるお店の中を回っているうちに撮影会になっていて何処から聞き付けたのかコスプレ大会の如く続々とポケコスをしたレイヤーが集まり収拾が着かなくなったり

またある時は、ポケモンフーズを作りたいだのとほざきブリーのみ(ただの葡萄)やらモモンのみ(ただの桃)やらを持ち込み刻んで調理しだしたり(家でやれよ!)

またある時は、緊急時態だと喚きながら入店し、何事かと尋ねればワタシのカッサンドラが解れた!とドレディアドールを顔面に叩きつけられ真剣に辞退を考えたこともあった

まあ、このように彼女が来るときは何かしら騒ぎが起こるのである



「次は……名前ね。元気だった?」

『元気は元気ですよ、はい』

「ふふ、じゃあ今名前が好きなイチオシポケモンは誰か教えてちょうだい」

『今は…シャンデラ一族ですね(イロリが可愛いんです』

「あら!それはいいわね。ワタシもシャンデラ一族は好きよ。サブマス撲殺メンバーの一員だったわ」

『撲殺…?)シャンデラのとくこうは使えますからね、色んな作戦が建てやすいですし、私は力でごり押しタイプなので、すごく扱いやすいいい子達だと思います』

「 モッ…! 」



………………胸元のポケットから鳴き声なんてしてない。



「何か言った?」

『いいえ何も!』



ぺしっとポケットを叩けばそれ以降イロリは鳴かなかった。
暫く質疑応答を繰り返し、最後の質問をされる。



「───そうそう、名前。貴女次はどちらを買うつもり?」

『もちろん、どっちも!ですよ博士』

「うん、いい返事ね!今月も頑張ってちょうだい!」

『ダイヤを守って運行再開!』

「お客様に笑顔を運ぶのよ!」



毎度お決まりとなりつつある彼女とのこのやり取りも慣れたもので、今ではすっかり恥ずかしげもなく言えるようになった自分に少し同情した。

だが今日は何事もなく1日が終わってしまい、こんな日もあるのかと綻んだ口元に手をやり、帰宅するために電車に乗り込んだ。





嵐の前の静けさ


どうも!小説担当の方、碧です!
少し久しぶりになる更新となりましたが、少しずつ更新しますので、これからもよろしくお願いします!!

20120516

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