▼!お

〜トキワシティ〜



『さっとっしくーん?……いないのかな…?』



一度トキワシティのポケモンセンターへ行ったのだが、サトシは来ていないと言われ今はトキワの森までの道を歩いている。
焔馬からは降りてトキワの森の前でうろうろ探していると雨が降ってきた。



『うっわ、最悪!』



慌てて焔馬をボールに戻す。

ピカッゴロゴロー!


ポケモンセンターに帰ろうと踵を反した瞬間、自然の雷ではなく技のカミナリが落ちた



『なっ……、やっぱりこの世界ってアニメ沿い…?!』



ならさっきのカミナリは…――

考えるより早く体が動きカミナリが落ちた方に向かって走る。

僕がそこにたどり着いた時には雨は止み、空には虹が出ていた。



『おいっ!大丈夫か?!』



先程目を覚ましたばかりなのか虚ろな目が四つこっちを見る。



「…君は……?」

『そんなのは後回し!焔馬!!』


ボールから再度焔馬を出す。



『ごめんね、この子乗せたげてくれる?』

「 うん?走るのー? 」

『そう。トキワシティまでぶっ飛ばしていいよ』

「 なら乗せるー!! 」



ありがとうと焔馬の頭を撫でてやり、サトシに手を差し出し立たせる。



『さっ、ピカチュウを抱いて焔馬に乗って。ポケモンセンターまで飛ばすからね』

「う、うん……。ありがとう…」


サトシが焔馬に跨がると僕はサトシの後ろに跨がった。



『Go!』



その言葉で焔馬は今僕が来た道をトップスピードで走り出したのだった。





『あっ、ジュンサーさん!』



すぐにトキワシティのジュンサーさんの所まで着き、一旦ストップする。(アニメではここで確かトレーナーカードだったよな)



「あらユキナさん、そんなに急いでどうしたの?」

『急患だよ。ついでに彼の身分証明しと』



ほら、と後ろに乗せている少年を指差す



「ご協力感謝しますユキナさん」

『いえいえ、少年。ポケモン図鑑貸して』

「え、あ、はい」



サトシは図鑑をジュンサーさんに渡す。



「あの…ユキナ?…さん?」

『何?サトシ君』

「俺の名前知ってるの?!」

『オーキド博士からね、君宛てに博士からプレゼントだってさ』



はい、とバッグから包みを出してサトシに手渡す。



「あ、うん、どうも……。じゃなくて!ユキナさんはn―」

「はい、サトシ君。そのピカチュウ大切にしてあげてね」

「は、はい!」

『じゃあ急ぐのでジュンサーさん、また』

「またねサトシ君、ユキナさん」



ジュンサーさんに手を振り、ポケモンセンターに向かう。

数分もすると道の先の方にポケモンセンターが見えてきた



「…ポケモンセンター…あれが…」

『焔馬、飛ばして!中にそのまま入るよ!』

わかったー!



アニメ覚えてるから、アレで行こう!



ジョーイさーん!緊急事態!御意見無用!



自動ドアに向かって叫び、焔馬ごと中に入る



「事態を手短に」

『大けが、ポケモンの宅配』

「お願いします!」

「ポケモンの種類は…ピカチュウね」



ピカチュウを預かりサトシに降りてもらい焔馬をボールに戻す
その間にラッキー達が押してきたストレッチャーにピカチュウを乗せる



「大丈夫よ。さ、緊急治療室へ。すみやかに」



ジョーイさんはピカチュウに話しかけるように言い乍、ストレッチャーを押して行く。



それでは治療を始めます―。



きゅっと手袋をつけながらそう言った



「あの…」

「あなたは?」



自分に話しかけるサトシに気付いたのかジョーイさんはきょとんとして聞いた



『そのピカチュウのパートナーで―』

「サトシです!何か俺に出来ることは?」

「反省することね!」

「え」



何か手伝うことはないかと言った瞬間、ジョーイさんが静かに怒鳴った



「一人前のポケモントレーナーになりたいのなら、あんなに傷つくまで戦わせちゃ駄目!」

「でも俺だって!」

「あなたに今出来ることは、ポケモンの無事を祈ること」

「それだけ?」

『時には祈ることも大切なんだよ?』

「ユキナさんの言う通りよ。治療は私に任せなさい」

「はい…」

「じゃ、治療室の扉を閉めます」



ラッキーを引き連れて扉の向こうへ行った



「あぁ、あの!」



サトシの呼びかけも空しく扉は閉まってしまった。



「ピカチュウ……」



扉を心配そうに見つめ呟いた



『…、サトシ君。待ってる間にお母さんとかに連絡したら?まだまだかかるだろうしね』

「…うん、そうする」



心ここにあらずみたいな顔をして電話に向かって歩いていく



おーい、サトシくーん!
ああ、早くストーリー進まないかな

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