▼!き
『仕方ない…か…』
「何g―…」
「あぁーー!」
「んぁ?」
サトシが何か言いかけてたけど、後ろから聞こえた声によってそれは妨げられた。
僕らが振り反るとぜぇぜぇと荒く息をして黒焦げの自転車を背中に背負って立つ女の子。
まぁご察しの通りカスミであった
「やっぱりここにいたわね」
「どーしたのその自転車!」
サトシが自転車を指差しながら聞くと、当然彼女は怒る訳で
「自転車ですって?!ちょっとあんた!これが自転車って言える?!」
カスミの怒りが爆発し、もちろん雷はサトシのみ。
サトシには悪いけど、そろそろピカチュウが出てくるんだよな
その後、ロケット団来るんだっけ… 雷牙でも出しとくか……
あーだこーだ言ってる二人を尻目にボールから雷牙を出す
「 やっと会えた……。…こちらの世界でもよろしく主… 」
『うん、よろしく雷牙』
雷牙の頭を撫でてると治療室の扉が開き、ジョーイさん達が出てきた
「ピカチュウ、大丈夫か?」
「危機は脱したわ。最も、ポケモンセンターの医者と看護婦に、救えないポケモンがいてはならないけど、ねっ」
「さすがポケモンセンター!」
「ありがとう先生」
「後は病室の方で回復を待つだけ。側に付いててあげなさい?」
ニッコリと微笑むジョーイさん 僕は椅子に座ったまま上を見上げる
…そろそろか
プーンプーン、ポケモンセンターに警報機が鳴り響く
"トキワシティに何者かが侵入した模様―…"
来た!
『ジョーイさん!早くモンスターボールの所へ!!』
「は、はい!」
こっちよ!とピカチュウを押して走り出した瞬間、ガシャァン!
天窓が割れて二つのモンスターボールが振ってくる
ポンッ
「 ドガース 」
「 シャァーボ! 」
ボールから出てすぐにドガースがえんまくをはる
『ちっ、間に合わなかったか…!』
「なんなんだこれは!」
えんまくの中、ゴホゴホと咳き込みながらサトシが言う
「なんだかんだと聞かれたら」
「答えてあげるが世の情け…」
えんまくの向こうから声が聞こえると、だんだんえんまくが晴れ、正体が見える
「世界の破壊を防ぐため」
「世界の平和を守るため」
「愛と真実の悪を貫く」
「ラブリーチャーミーな敵役」
「ムサシ」
「コジロウ」
「銀河を駆けるロケット団の二人には」
「ホワイトホール、白い明日が待ってるぜ」
「にゃーんてな!」
ビシッとポーズを決めたロケット団に興味がなさそうな顔のサトシが聞く
「それがどうしたってんだ?」
「分かりの悪いやつだねぇ」
『子供が分かるわけないでしょオバサン』
「オ、オバッ…?!」
「…あー、ムサシの地雷を踏んだにゃ」
「アタシはオバサンじゃなくて お ね え さ ん よ !ムキー!許さないんだから!アーボ、まきつく!」
『避けて雷牙、天井にアイアンテール!!』
「 御意…! 」
アーボのまきつくを軽やかに避けて、ダンッ!っと雷牙はカウンターを蹴り天井を崩し、サトシ達を崩れた瓦礫が見えなくする
ジ「ユキナさんっ?!」
『ジョーイさん!ここは僕に任せて早くポケモン達を!』
サ「でもっ…!」
『なぁに、伊達にチャンピオンやってないさ』
サトシに心配すんなと言い。 ロケット団に向かい合い、不敵に笑う
「おみゃー、チャンピオンって本当かにゃ?」
『あぁ、…シンオウ地方現チャンピオン。ユキナと言う』
「てことは珍しいポケモンをたくさん持ってるってことね」
『ま、そう簡単には盗られないけど』
「ならば無理やり力ずくで奪うまで、ドガース!!」
ヘドロこうげき!
ドガーっと口からヘドロが雷牙に放たれる
『避けて10まんボルト』
ソレを支持通りに避けバチバチっと雷牙はドガースに放つ
ボカンっ!!とドガースは爆発し瓦礫が崩れる
「いまにゃムサシ!」
『しまった!』
待て!と追いかけようとしたらコジロウに腕を捕まれた
『離せッ!』
「君には聞きたいことがあるんだ」
『………ちっ、雷牙!先にサトシのところへ!!』
「 …わかった 」
コジロウを睨み付け、雷牙が二人を追う
『…で?初対面の僕に聞きたいことって?』
「………疑わないのか?」
『疑ったところでどうしろと?君の方が力強いんだからどうしようもない』
「…そう、か。さっさと済ませよう。聞きたいことは、君が色ちがいのグレイシアを持っているかどうか」
『!………なんで知ってるの』
「やっぱり!!見つけたっ!やっと見つけたっっ…!」
ぎゅう、と抱き締められたことにびっくりして固まっていたら口元に見覚えのあるハンカチを押し付けられた。
これ、クロロフォルム…か……─。
「ユキナさーん!」
「何処にいるんですかー?」
「 ピカチュピー!! 」
「 主ー! 」
サトシ、カスミ、ピカチュウ、雷牙の二人と二匹は、昨夜の事件で瓦礫の向こうに消えたユキナを探していた。 いつのまにか本当に消えてしまったのだ
事件が解決し、ユキナは何処にいるのか
「 グルゥ…主 」
「直ぐ見つかるさ、えっと…カッコいいポケモンくん」
* * *
「おい、起きろ」
ユキナが目を覚まして初めに見た人はサングラスをかけ、帽子を目元まで被っている男だった
『は……?あんた…誰…?』
「俺は………、コジロウだよ。ロケット団の」
『…………あぁ!あんたか!』
「あーよかった…、目が覚めたみたいでι」
『…どーゆーい…み、……?』
………おや? 手持ちボールが一個……? ………………………………………………何っ?!
「あーと…だからー、俺のせいで君までここに飛んで来ちゃったみたいで、君のは愚か、俺のボールもないんだ!」
『……………はぁ?!どーいうこと!!?』
詳しく話を聞くと、運悪くこそこそ逃げようとしたコジロウにピカチュウの流れ弾が当たり、担がれた僕ごと飛ばされたらしい。
で、その時ボールもはぐれちゃったと!……。
『……もうやだ…めんどくさい…ιえーっと…、運良く最後のボールはピジョットだ。コジロウ、一緒に探そうか』
「いいのか?!」
『まぁねー、これでもチャンピオンなんで、悪人でも困ってるトレーナーは助けてやんないと』
ありがとう!!恩に着るよ!!と涙流して足に縋り付くコジロウに微笑み、コジロウを後ろに梵鴕に跨がる。
『とりあえず、Go梵鴕!』
「う、うぉぉお……!」
まあ、アニメで彼らを好きだったし、なんの迷いもないね。 薄情?そんな言葉、僕の辞書には載ってない。
梵鴕は一気に空に羽ばたき結構なスピードで皆を探しだした。
切り離せない思い (なあなあ、氷輝…だっけ?は元気なのか?)(ん?んー、元気だよ(なんでコジロウは氷輝のこと知ってるんだ))
20120605
△ | top | ▽
|