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■夜の森・下

※R18

「……や……あ……やだ……っ……」
泣き声なのか嬌声なのか分からない声が、夜の森にこだまする。
「やめ……いや……離れ……」
「いいの?これだけ反応してるのに?」
私の足の間から顔を上げ、騎士はわざとらしく驚いたように言う。
そして舌先で熟れきった箇所を突いた。
「ひっ……」
「ココだって、こんなに可愛くしちゃってさ……」
身体を起こし、胸を指先で弄る。
「あ……や……ぁ……」
無残なことになっていた。テントの外で木の根元に座らされ、後ろ手に
縛られれて。上着は首筋までまくられ、下は剥がされ、濡れた下着が
片足に引っかかっているだけだ。
「エース……いや……」
首を振って拒否の意思を示しても、騎士は笑うだけ。それどころか、
「ほら、もっときれいな君を見せてくれよ」
薄ら寒いことを言い、私の上着を強引に脱がせる。
後ろに回した手首に服がひっかかる格好になって、腕だけ温かくて
他は寒い。限りなく全裸に近い私に対し、騎士はというと、赤いコートを
脱いだっきりだ。
「寒そうだね、リン。温めてあげないと」
「ん…………!」
抱きしめられ、キスをされた。確かに温かいけど……身体に、騎士の
××が当たる。十分に大きく、硬くなったそれが。
膝の上にのせる形で抱きしめ、騎士は笑った。
「ごめんごめん。久しぶりに君に会ったから、俺の身体も何だか反応が
早いみたいだ」
でも、と、後ろ手に縛られた私を見る。
「地面には何も敷いてないし、手を下にしたままやったんじゃ、君がきついよな」
だったらテントに入るか、縄をほどけと言いたいけど、抱かれるのを
認めてしまうようで、口にしたくない。
すると騎士は、名案を思いついた、というように、
「ああ、そうだ!」
……嫌な予感しかしない笑顔だった。


ゆっくり侵入されると、大事な場所が悲鳴を上げる。
「ああ……ぁ……――っ!!」
鈍痛に冷たい汗が背に流れるのを感じ、背をのけぞらせ、叫ぶ。
「うん。これなら君も冷たくないし、俺も焚き火の火に照らされた君が
よく見える。こうするのが正しいよな」
えーと……私を膝の上にのせ、身体をつないだ状態で騎士が笑う。
私は深みの増した角度と、慣れない異物の感覚に涙目だった。
「どこ……が……!や……っ動か、ないで……痛っ……」
荒縄の痛みなんかどうでもいい。
逃げようとするけれどエースは笑って動きだす。
「あっ……やっ……いやぁ……」
「リン。可愛いぜ……よく見える」
エースにとっても楽な姿勢ではないはずなのに、そんな様子は全くない。
むしろ片腕で楽々と私を支え、空いた手で私の×××××や胸に触れる。
「ぁ……や……っ……」
頬が熱い。感じてはいけないと思うのに……身体が……。
「はは。俺のことが嫌なのに反応するんだ。君ってやっぱり××なんじゃ
ないか?ほら、俺のが君の中に入ってるところ、見える?」
「やだ……やめ……」
だけど、声にゆっくりと拒絶だけではない何かが入る。
痛みが少しずつ引き、身体の奥から、以前感じた熱が再びこみ上げてくる。
「ん……んん……っ」
「うんうん。素直になるって、大事だよな」
私の涙を舐め、より結合を深くしながら騎士が笑う。
そして私の手首に手を伸ばし、スルッと荒縄の結び目を解いた。
「ごめん。やっぱり、我慢出来ないかな」

「あっ……いや!やぁ……」
夜露の混じる草むらに押し倒され、何度も何度も押し入られる。
「いい……すごく……っ……」
雄の本能に押されてか、さすがに騎士も余裕を保ち切れていない。
私の足を抱え、より濡れて敏感になった内側を何度も抉り、名を呼ぶ。
もう痛みは失せている。あるのはただ、快楽だけ。
――エース……っ……!
憎しみも恐怖もどうでもよくなり、私も雌の本能のままエースを抱きしめ、
唇を求め、舌を絡め合う。
私は森の中、草むらの上で、全裸で交わらされ、絶頂寸前まで追い詰められ、
獣にでもなった気分だった。
「リン。気持ちいい?」
「は……はい……っ!」
「恋人だよな、俺たち」
「……え……?」
熱に浮かされていた頭が一瞬、冷静になり、返す言葉を失う。
確かに気持ちいいけど、それが私たちの関係に直結するかと言うと……
「恋人じゃないんだ、へえ……」
「……っ!!」
自分も達する寸前だったろうに、エースが動きを止めた。
「だ、ダメ……っ……」
慌てて言うけど、エースは本当に出て行こうとしているようだった。
「恋人じゃないんだろう?なら無理やりだ。
騎士として、これ以上先には進めないぜ」
今さら何をとしか言いようのない言い草だが、エースは大真面目、に見える。
「エース、ダメです、お願い……」
首を振って嫌がった。
「いやらしい子だな。自分で慰めればいいだろう?」
「……ひっ……」
熟した×××××を親指の腹で弄られ、声が上ずる。
「いや……いやです……エースじゃ無いと……」
エースはもう出て行く手前だった。
「なら、認めてくれよ、俺たちは、恋人だろう?」
「…………」
そのとき、時間帯が変わる。深い闇夜が明るい森の中になった。
一瞬見えなくなった視界の中、エースが私の身体の敏感な箇所に触れ、
答えを促すように弄ぶ。視界が不明瞭な分、感覚が鋭敏になり、身体の
奥から愛液が溢れる。目の前の人が欲しい。他はどうでもいい。
「恋人だよな?リン」
光の中から声が聞こえる。
「は……い……恋人、です……」
快楽に泣きながら応えると、
「……っん……あ、ああ……っ!!」
抜きかけたのが一転、一気に奥深くまで貫かれ、同時に激しく動き出す。
「いい子だ」
恋人にかけるには微妙なことを言い、エースは私にキスをした。
「……エース……っ……!」
瞬間に達し、昼の光よりなお白く、何も見えなくなる。
「好きだぜ……」
そして内側に熱が放たれるのを感じる。
優しく抱きしめられ、もう一度キスをされ、私は一筋の涙を流した。

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