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■最悪の騎士4

※R15

「――っ……!!」
力がゆるんだ隙に、片腕で身体を抱き込まれ、再び身動き取れなくなる。
「や……っ……!」
エースの手が私の下半身に滑り込み、下着に触れた。
「だ、ダメ!や――……!」
「いけない子だな、リン。声を出しちゃダメだろ?」
罰を与えるように耳朶を少し強めに噛み……『気づいた』のか、耳元で
エースがささやく。嬉しそうに、
「ああ、『ダメ』ってそういう意味だったのか。
俺に知られたくないよな?無理やりされて、感じるなんて……」
「…………」
きっと噛まれた耳朶まで真っ赤になっている。
エースの指は下着の上から、谷間を弄っている。
下着にも染みるほど、濡れた谷間を。
「や……あ……っ……ぁ!……」
手がスリットを探り、一点を見つけ、執拗に弄ってくる。
そこに触れられる度、身体が真っ赤になって跳ね上がった。
好きにされ、うつむき、震える私に、
「服、下ろすぜ?」
「え……?」
腰の留め金が外され、そのまま服がバサッと床に落ちる。
「ま、待って、ダメ……!」
身をかがめて拾おうとしてもエースの手に阻まれる。
「うん。これでもう絶対に人を入れられないよな。あ、でも――」
「い、痛っ!」
一瞬、腿のあたりが痛み、ブチッと何か引きちぎれる音がして、気づいた。
「エース……っ!」
怒りと驚きが半々。引き千切られた布の下着が足下に放られたのを知って。
――こ、この世界の人たちって……。
そういえばエースは大剣を軽々と扱うし、グレイは全身に重そうなナイフを
装備して普通に歩き回っている。皆、見た目は普通でも体力は恐ろしいみたいだ。
「上にシャツだけ、下は何も履いてないって、ちょっと興奮しない?」
あらわになった私の下半身に指を滑らせながら、エースが嘲笑した。
「どこがですか、この、変態……っ……!」
そんなシチュエーションに感じるほどアレじゃない。
でもむき出しになった下半身に、エースの手が容赦なく入り込む。
潜り込まれ、荒らされ、しつこく嬲られ、立っていられない。
エースはそんな私を抱きしめ、立たせたまま、なおも指を潜り込ませる。
「や……だめ……!やめ……っ……!」
音がする。それが自分の下半身からするとは思いたくない。
「今の君を塔の顔無しが見たら、そいつの夜のお供になっちゃうだろうな」
それは嫌だな、とエースが笑う。もう絶対に人に見られたくない格好だ。
雫が谷間からこぼれ、床に落ちた私の服に染みこむ。何滴も。
「気持ちいい?リン」
「い、いえ……」
女の矜持で否定してみても、
「ああ、なら移動しようか?鏡の前でする方が興奮するだろう?」
エースは意地悪く笑う。
「〜〜〜〜っ!!」
暴れたけど阻まれ――なかった。エースが両手を離していた。
「わっ!」
元々腰砕けな上、いきなり拘束がなくなったため、私は自分の服の上に
無様に倒れ込んでしまう。そして慌てて上を見ると、
「リン……」
バスローブを脱ぎ捨てたエースが、床の上の私を抱きしめ、最後のシャツを
脱がし、遠くに放る。
向き合ってキスをされ、濡れそぼった私の下半身に、露骨にエースの雄を
押しつけられる。十分に反応しきったそれを。
「ん……」
強要された快感で、少しのぼせていた頭も、わずかに我に返った。
「え、エース……それだけは……」
「ん?大丈夫大丈夫。男物のズボンなら、多分客室に代えがあるだろうし」
――何で今さら、あなたのズボンの心配をするんです!!
というか、こっちの服の心配はしないのか。私はどう部屋に帰れと。
けども空気をカケラも読まないエースは、私の下半身を大きく開かせ、
じっくりと観察しながら指先で弄ぶ。
「だ、ダメです。見ないで……」
でも押さえつけられ、何も出来ない。好きにされるしかない。
「うん。やっぱりこっちの方がよく見えるな。はは。指に吸い付いてるぜ。
そんなに欲しいんだ。俺がそんなに好きでもないのに。
君ってもしかして、男がすごく好きな体質?」
「――っ……!!」
睦言どころか侮辱。でも反論も許されず、指を立てられては快感にあえぐ。
エースの手が私の胸にのび、舌が先端を舐める。
「あ……ん……や、……あ……」
抱きしめられ、キスをされる。恋人でもない男に一番見られたくない場所を
開かされ、探られ、嘲笑され、何一つ反撃が出来ない。
そしてエースは緋色の瞳で私を見下ろした。
「リン、そろそろいいよな?」
「……だ、ダメ!……やめ……て……」
でもエースは前をゆるめる。ためらう色一つ無い。

否定の言葉が聞きたかっただけなのだろうと思った。

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