続き→ トップへ 目次に戻る

■宵の月4

※R18

裸体にガウンを羽織り、私はベッドに起き上がっている。
そして顔を上げ、部屋の内から宵の月を眺めました。
――どうしたものですかね……。
ディーとダムは疲れたんでしょう。両側から、私に抱きつくように眠っています。
穏やかで、本当に邪気のない寝顔です。でも……

『お姉さん、そんなに泣かないでよ。もっといじめたくなっちゃうから』
『お姉さん、すごく気持ち良い……大好き……まだ終わりたくないよ……』

さきほどまで、されていた行為が蘇り、私は片手で目をおおい、深くため息をつく。
「お姉さん?」
「カイお姉さん?」
ため息が聞こえたのか、双子がパチッと目を開ける。
「起きてたんだね、カイお姉さん」
ディーが起き上がり、嬉しそうに私に抱きつく。
今は前を開けたシャツ姿。月明かりに浮かぶ胸板は薄く、まさに成長途上。
「ねえ、お姉さん。また、いい?」
同じ格好のダムが、脇から私のガウンを抜き取る。そうしてまた裸身に戻される。
「カイお姉さん、きれい……」
「お姉さん、可愛い……」
そしてまた、上と下を押さえつけられる。
私は目を閉じて、彼らの交互のキスを受け入れる。
「お姉さん、大好き……」
「もっと、抱きしめていたいよ」
胸に、下腹部に伸ばされる二人の手。
――ダメ……。
抵抗したいけれど出来ない。
けれど……それ以上に私の身体も、熱くなり始めていた。


――ん…あ……やあ……。
声は出せない。出せない代わりに大きく息を吐き、真下のシーツを握りしめる。
「お姉さん、ちょっと慣れてきた?あんまり痛そうな顔をしなくなったしね」
「愛の力だよね。抵抗もしなくなったし」
好き勝手なことを好き勝手に言われる。
愛があったら、そもそも抵抗しないでしょうに……。
私は四つん這いになって、シーツを握りしめながら、汗を流した。
双子は例によって、前と後ろから私を苛めてくる。

逆らっても無駄だということは、早々に学習させられました。
彼らは情事を覚えたての少年二人。
一度では満足しないし、いろんなことを試したがる。
押さえつけられれば、こちらの体力が無くなり、それだけ後が辛くなります。
こちらが大人しくしていれば、多少の苦痛は軽減出来ると悟ったわけで。
……抵抗するのが、面倒になっただけかもしれませんが。
――……っ!!
後ろから激しく突き上げられ、息が止まりそうになる。
「カイお姉さん。気持ち良い?」
また抉られ、身体の奥に鈍痛。でもその中に、小さな熱がある。
――ん……ゃ……。
『それ』がもっと同じことをしてほしいと、訴えてくる。
「お姉さん、上の空だね。もっと集中してよ」
キスをしながら、もう一人が言う。
いったい何度、求められたでしょうか。
何度も相手が変わり、暗闇では、もうどちらがどちらなのか分からない。
――ん……ん……っ!
「お姉さん、お願い……」
下を責め立てながら、私はまた口で奉仕する。
「もっと吸ってよ、お姉さん……ん……ぅ……」
熱い。下が、とても熱い。
もう苦しいのか気持ちいいのかも、よく分からない。
気がつくと、自分で勝手に腰を動かしている。
もっといっぱい感じたくて……気持ち良くて。
「……お姉さん、感じてくれてるの……!?」
背後から、驚いたような嬉しそうな声。
違う、そうじゃないです……私は、子どもなんかに……。
「嬉しいな。兄弟と頑張って、いっぱい愛したもんね」
違う、違う、違う……!
「カイお姉さん、僕らも、大好きだよ……」
汗ばんだ手が腰を押さえつけ、動きがさらに強まる。
奉仕している方も、勝手に私の頭を動かし、快感を得ようとしている。
――ん…やだ……っ……。
最初ほど苦しくはない。もう痛みもあまりない。
そして何より熱い……すごく奥が熱くて、じんじんする。
――もっと……お願い……もっと……っ!
「お姉さん、そんなに興奮しないで……すごい……」
私の勢いを受けたのか、双子の声も熱い。
彼らの入れ替わりのメッキは少しはがれ、声だけでは判別がつかない。
「気持ち良い……お姉さんの中、すごく気持ち良いよ……大好き……」
――私も、大好きです……。
そう言いたいけど、言葉には出来ない。
そして涙があふれる。

――でも、どんなに大好きでも、あなたたちとは恋人にはなれない。

どれだけ慕われても、自分自身が『感じて』いても。
「お姉さん、カイ、お姉さん……っ」
二人の動きがさらに強くなる。
最奥を何度も抉られ、突き上げられ、結合した箇所から愛液がこぼれる。
「大好き……カイお姉さん……っ」
快楽の道具にされているけど、自分もまた二人を道具にしている。
――気持ち良いです……すごく……もっと……下さい……!
そして、前と後ろに、同時に放たれるのを感じ、頭が真っ白になる。

「――っ!!」

二人が、私の名を呼んでくれる。
そして最後の一滴まで中に出されるまで、私は快感に震え、涙を流していた。

…………

…………

仁王立ちになったエリオットさんは、明らかに頭痛をこらえる表情でした。
「カイを探しに行ったっきり、どこで油を売ってるのかと思ったら……」
エリオットさんの視線を受け、私はビクッとしてベッドの上で縮こまりました。
「ああ。違う違う。あんたを責めてるわけじゃねえんだ」
私には優しくそう言って、エリオットさんは双子をジロリと睨む。
「カイは責めないが、おまえらには非があるよな?
『こんな』宿で、カイとずっと何をしていた?」

エリオットさんの剣呑な物言いに、双子は顔を見合わせ、ニヤリと笑いました。

5/6

続き→

トップへ 目次に戻る


- ナノ -